2015年10月24日土曜日

多文化共生と日本語:外国語として日本語を学ぶ(大阪教育大学公開講座)で講義

少し前になるが、10月10日の土曜日、大阪教育大学の天王寺キャンパスで、一般の方々を対象とした講座で、日本語について講義する機会があった。
http://llc.osaka-kyoiku.ac.jp/course/detail/id/242
タイトルが「日本語を学ぼう」という、なんとも、大雑把すぎるものだったし、また、教室に入るまで、どんな参加者なのかもわからない、という状態のなか準備したので、どれぐらい理解していただけたか、あるいは満足していただけたかわからないけれども、授業後の感想では、日本語についてあらためて考えるいい機会になった、など、概ねよい反応だった。
ここ数年同じテーマでやっているのだが(対象者は毎回違うので)、マンネリ化するといけないので、「ネタ」を仕込むようにしている。

2013年は、「三代前からマーメード」(「あまちゃん」の劇中歌「潮騒のメロディ」の歌詞)の解釈についてだった。「あまちゃん」では、主人公のアキ、母親の春子、そして祖母の夏が登場し、夏が海女さん(マーメード)なのだが、いろいろあってアキも海女さんになった。それが歌詞の一節なのだが、本来、「三代前」というと、一代前が母親、二代前が祖母、そして三代前は曾祖母になるはず。でも、この歌詞を読んだら誰もが間違えることなく三代前は「夏」だと思う。それはなぜか、という話をした。これは基準となる自分自身(あき自身)を数えるかどうか、という問題で、日本語ではどちらの場合もある。

2014年は、「白鳳、豪栄道に土」というニュースの一節の曖昧性をとりあげた。これには「白鳳が豪栄道に土をつける(豪栄道が負ける)」という解釈と、「白鳳が豪栄道によって土がつく(白鳳が負ける)」という解釈がある。でも、ニュースになるのは、明らかに後者の解釈。

2015年の今年は、安倍首相の談話を音声学的(?)に斬ってみた。
「科学(かがく)」が「かあく」
「(戦後)70(ななじゅう)年」が「なあじゅうねん」
「(歴史がゆがめられることは、けっして、あっては)ならない」、「なあない」
って聞こえますよねー。(うんうん、と多くの人がうなずく)
同じ母音の音節が続いた場合に、母音にはさまれた子音が消えてるって考えることができますねえ。「なりません。」は、ちゃんと言えるみたいなんで。
って言ったところ、授業のあとの感想で、「私も、ずっとなんか変な感じがしてたんですが、今日、すっきりしました。」というのが続出。やはり、みんな気になっていたのですね。あ、まあ、単純すぎる分析ではありますが。
なお、このネタは、FBに投稿したところ、一部言語学者の間でものすごい盛り上がりを見せました。

2015年10月4日日曜日

リサーチ・ペーパーに向けての中間発表会に初めて参加して

昨日(2015年10月3日)に所属する研究科の修士課程2年生による中間発表会に参加しました。この研究科では修士論文ではなく「リサーチ・ペーパー」を提出するのですが、そういう名前になっているのは、言語教育を専門とする院生が開発した教材を提出することもあることを考慮してのことのようです。

総勢31名で、3部に分かれ、ポスターセッション方式での発表。とりあえず、自分が副査をしている院生を中心に、それぞれの部で、2〜3本ずつ発表を聞きました。
多種多様なテーマ、そして、進捗状況も相当のバラツキがありました。

まとまりはなくとも、苦しみながら非常に熱心に取り組んでいて好感の持てるものがある一方で、いろいろなツールを駆使しているので一見形は整っているように見えるのだが中身が薄いというのもありました。ぱっと見は、後者の方がよさそうに見えるのですが、ちょっと話を聞けばすぐにわかります。

教員のコメントに熱心に耳を傾ける人が大半なのですが、中には、「あ、わかってるんですけど、それはいれてません。」と、なんだかなあ、という反応をする人もいて、出来以前の問題かな、と思いました。ただ、それは指導をするわれわれ教員の責任が大きいので、反省しなければならないな、と思いました。

2015年10月1日木曜日

The 45th Poznań Linguistic Meeting (PLM2015)のテーマセッションで発表しました。

日本ではまだ暑さが残っていた9月中旬、ポーランドのポズナニのAdam Mickiewicz University(AMU)で開催された第45回ポズナニ言語学会に参加しました。

AMUの言語学科で教えている友人Szymon Grzelakと一緒に企画したInteraction among spatial, temporal and inferential domainsというテーマセッションで、Temporal and modal expressions in Japanese conditionalsというタイトルで発表しました。

学会の規模はそれほど大きくなかったので、こぢんまりとしたテーマセッションで、とてもリラックスした感じで発表できました。


発表の内容はさておき、この学会、開催された場所も非常に立派な建物で、発表の合間のコーヒーブレイクにはコーヒーだけでなく美味しいお菓子がずらり。また、発表が終わった夕方にはワインパーティもあって、とても優雅な学会でした。
こちらはConference Dinnerの1シーン。AMUの先生自らが演奏する音楽でダンス。さすがヨーロッパ。

日本言語学会にもぜひ提案しなくちゃ、と思った次第です。